2.たまごのアミノ酸パワー
(1)生命の源はアミノ酸と言われていますが、人間の体は60%が水分で約20%がタンパク質でできています。タンパク質をつくっているのがアミノ酸です。タンパク質は常に体内で合成され分解され新陳代謝を繰り返しています。人は必要量のアミノ酸を食物から摂取しなければ、アミノ酸が欠乏し免疫力が低下したり、疲れやすくなったり、肌荒れがひどくなったりして、多くの健康障害を引き起こします。人間は、食べ物からしか摂取できないアミノ酸が9種類あり、これらを「必須アミノ酸」と呼びます。たまごには、この9種類の全てのアミノ酸があり、すべての食品の中でもっとも多く含まれ、しかも良質です。ちなみに、たまごのアミノ酸スコア(食品タンパク質の栄養価を科学的に示す方法)は100です。
(2)たまごかけごはんやスクランブルエッグ、天津飯等、国が違って料理方法が違っても、昔からたまごは食べられている世界共通の食材です。これは、ごはんやパン等に不足している必須アミノ酸をたまごが補ってくれて効率良く消化吸収してくれるからです。たまごを食することは、人間が生きていくために必然的に生まれた、人類の知恵と言えます。
食品のアミノ酸スコア
(3)食物に含まれるアミノ酸は、一つでもレベルの低いものがあれば他のアミノ酸もそのレベルしか働きません。しかし、ごはんはたまごといっしょに食べると白米に不足しているスレオニンやリジンをたまごのアミノ酸が満たしてくれます。
(4)筋肉疲労や筋肉痛は糖質(グリコーゲン)が筋肉内でエネルギーに変わる際、乳酸を発生させ蓄積することで起こります。イソロイシン、ロイシン、バリン、アルギニンなど、たまごに含まれるアミノ酸は、乳酸を発生させずに筋肉内で直接エネルギー源になるため、筋肉疲労や筋肉痛がほとんど起こりません。運動や筋肉を多く使う仕事をする人は、特に、タンパク質の豊富なたまご料理を食べて、筋肉疲労等を軽減しましょう。
たまごに含まれるアミノ酸の種類とその機能